ジョブズ

「スティーブ・ジョブズ パーソナルコンピュータを創った男」-日本で最初のジョブズ本

12102002.jpegスティーブ・ジョブズの死去以降、公式伝記をはじめ彼の生涯や言葉、ビジネススタイルなどを記した本(ジョブズ本)がたくさん出版された。MacFan 2012年11月号ではこうしたジョブズ本について編集社が語る特集を6ページ組まれており、これによると生前に出版されたものを含めると実に70冊以上が日本で発売されたらしい。

これだけある中で日本で一番最初に発売されたのが「スティーブ・ジョブズ パーソナルコンピュータを創った男(上/下)」。著者はアメリカでMacWORLDの編集をしていたジェフリー・S・ヤングで、1988年に発売されたものを翌1989年に翻訳したものだ。ちなみにジェフリー・S・ヤングは後に「iCon スティーブ・ジョブズ偶像崇拝」という非公式伝記を2004年に書いている。

「スティーブ・ジョブズ パーソナルコンピュータを創った男」は、ジョブズの生い立ちから、アップルを追われNeXTを創業したところまでが600ページ以上にわたって綴られている。ページ数だけで見れば、この時期について書いた本として公式伝記よりもより詳細に描かれていることになる。

それよりも、まだパソコンが一般的でなかった時代に、国内でも知る人ぞ知る程度の存在であったアップルにおいて、彼の創業から会社を追われるまでの話の本が翻訳されて国内で出版されたということは、当時でも一定の注目を浴びていたんだろうと思われる。当時私は小学生だったので知る由もないが。

すでに公式伝記を読んだ立場として、この本は正直退屈で、あえて最初から最後まで読む気にはなれなかった。ただ、最後のNeXT創業のところは、伝記と違いこれからどうなるのかわからない状況で書かれているはずなので読んでみた。やはり今売られている本とは少し違い、NeXTが今後どうなるのか期待が込められていた。訳者あとがきでは、この時期にキヤノンがNeXTと提携し極東での独占販売権を取得していたことを挙げ今後に注目しようとされている。

(余談だが、日経ビジネスアソシエという雑誌の2012年11月号「失敗の研究」という特集で、当時キヤノンでNeXTを担当していた現キヤノン電子社長の酒巻さんという方が当時を振り返る記事があった。こんなところで話がつながったのが面白かった)

さらにこのあとがきでは、訳者がこんなことを書いていて、当時も今も彼への印象は変わらないんだなと思ってしまった。

本書上下巻を読み終えた読者は、業界の話もさることながら、スティーブ自身のいやらしさと、それと裏腹の不思議な魅力にインパクトを受けたのではなかろうか。私も正直言ってそのエキセントリックな「とんでもなさ」に、疲れきった感がある。にもかかわらず、私はこの本に惹かれ、思わずスティーブの味方をしながら読んでしまう自分に気づいたりもした。



スティーブ・ジョブズ―パーソナル・コンピュータを創った男〈上〉スティーブ・ジョブズ―パーソナル・コンピュータを創った男〈上〉
(1989/08)
ジェフリー・S. ヤング

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スティーブ・ジョブズ―パーソナル・コンピュータを創った男〈下〉スティーブ・ジョブズ―パーソナル・コンピュータを創った男〈下〉
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